1)食べカスを取り除く
高齢者の口臭の大部分は、口の中の食べカスが原因である。口のニオイは食後の歯磨きやうがいなどの口腔ケアで大半は防げる。
自分で歯磨きやうがいができない高齢者には、コップの水にお酢、イソジンガーグル、抗菌効果のあるハーブのテートリーを垂らしたものを用意し、そこに口腔ケアのための綿棒を浸してから口の中を拭くと、雑菌の繁殖を抑えることができる。その時、高齢者には目いっぱいの大口ではなく、半分くらい軽く口を開けてもらう方が、食べカスを取り除きやすい。脳梗塞の後遺症で麻痺がある人は、麻痺した側に食べカスがたまりやすいので、麻痺側の歯と頬の間を念入りにケアする。
2)舌苔を除去する
口臭ケアでは、舌のニオイも大切である。舌に付着する舌苔は、強いニオイの原因となる。特に胃腸の弱い高齢者は、舌苔ができやすい。
3)唾液を分泌させる
生理的口臭の原因は、唾液の減少である。唾液は、最も強力な天然の消臭剤である。
また、最もよい唾液分泌法は、よくしゃべることである。黙々ではなく、楽しく会話をしながら食事をすることは口臭の予防ともなる。口臭ケアにとって沈黙は「金」ではなく、禁止の「禁」である。
4)口臭から病気を見付ける
口臭ケアで大切なことは、口臭が体の病気のサインにもなることである。特に高齢者が急に口臭が強くなったり、いつものニオイと異なる口臭がした場合には、何か体の中で病気が進行していることを疑うべきである。
もちろん、このような病的口臭のケアは、原疾患の治療である。体のニオイは体の中の目撃者であり、体のニオイが健康のバロメーターになることも、介護者は理解するべきであろう。
引用・参考文献
1)五味常明,須藤章:イラスト版 介護・ニオイで困っていませんか.講談社,2001.
介護施設におけるニオイケア 2
入所者へのニオイケア
臨床老年介護2008年7・8月号